配当金再投資で複利の効果が生かせる!!
少額から始められ、配当金再投資による複利効果を得やすい株式累積投資(るいとう)について紹介したいと思います。
「るいとう」は株式を1万円から定期積立できる制度です。株式投資をしてみたいけど、何十万円を用意するのは無理な方。少ない資金から分散投資したい方。購入するタイミングを考えず、コツコツ投資をしたい方にオススメできる制度だと思います。
今回は、るいとうのメリット、デメリットに加え、シミュレーション結果から「るいとう」の優位性を確認していきたいと思います。
- 配当金再投資で複利の効果が生かせる!!
- るいとうの仕組み
- るいとうのメリット
- るいとうのデメリット
- 利用できる証券会社
- 対象銘柄、買付手数料比較
- 積立シミュレーション(単元、ミニ株、るいとう)
- まとめ
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るいとうの仕組み
日本の株式は通常は単元と呼ばれる単位(100株で1単元が多い)で売買するため、投資資金として数十万円必要となります。一方「るいとう」であれば1万円から投資ができます。
単元未満で株式を購入できるサービスには端株(ミニ株、S株など)がありますが、こちらは1株単位での購入になります。一方「るいとう」は、購入金額分きっちり投資になります。1株未満でも積立可能です。
端株の場合は33株買えます。一方「るいとう」であれば、33.333333株買えます。るいとうの方が、0.333333株分だけ先行投資できます。
また、「るいとう」でも配当金を受取ることができ、株主優待は優待品を現金化し按分したものを受取ることができます。
るいとうのメリット
・毎月10,000円(1銘柄)で買付可能
・定期積立なので、買付操作は不要
・配当金再投資で無駄なく投資可能
少ない資金から株式投資ができることもメリットですが、"配当金再投資"できることが最大のメリットだと思います。
るいとうのデメリット
・手数料が1.1%程度と割高
・申込みが申込書の提出もしくはコールセンターへ電話
利用できる証券会社
「るいとう」で株式購入ができるのは大手証券会社3社になります。
・野村證券
・大和証券
対象銘柄、買付手数料比較
購入できる3証券会社で内容が異なる部分をピックアップしました。
手数料は税別です。
野村證券 | 大和証券 | 日興證券 | |
---|---|---|---|
購入対象銘柄 | 1800銘柄 | 2600銘柄 | 1600銘柄※1 |
買付手数料 | 1.10% | 1.155%未満 | 1.155%未満 |
口座管理料 | 無料 | 無料※2 | 無料※3 |
※1 2010年時点の情報。最新の情報は「るいとう」の案内ページにはなし
※2 基本1,620円。eメンバーになることで無料化可能
※3 2018年時点で口座管理料は無料。時期により変わるので注意
直近では2011年に有料化、2013年に無料化が行われている
積立シミュレーション(単元、ミニ株、るいとう)
シミュレーション条件
・株価3,000円、単元株数100、配当金は半期30円、株価・配当金一定
・配当金は6ヶ月目以降、6ヶ月おきに入金
・単元株、ミニ株(10株単位)、るいとうの3パターンを比較
・毎月1万円ずつ入金し購入できる金額がたまったら、株式購入
・手数料は、SBI証券(単元株、ミニ株)、野村證券(るいとう)を採用
・単元に達したら購入は終わり。3年間入金は続ける
6ヶ月毎の評価額(現金+株式評価額)の比較
単元 | ミニ株 | るいとう | |
---|---|---|---|
6ヶ月 | 60,000円 | 60,318円 | 60,234円 |
12ヶ月 | 120,000円 | 121,434円 | 121,418円 |
18ヶ月 | 180,000円 | 183,510円 | 183,560円 |
24ヶ月 | 240,000円 | 246,864円 | 246,667円 |
30ヶ月 | 300,000円 | 311,340円 | 310,748円 |
36ヶ月 | 362,130円 | 376,140円 | 375,566円 |
6ヶ月毎の累計手数料比較
単元 | ミニ株 | るいとう | |
---|---|---|---|
6ヶ月 | 0円 | 162円 | 714円 |
12ヶ月 | 0円 | 486円 | 1,434円 |
18ヶ月 | 0円 | 810円 | 2,160円 |
24ヶ月 | 0円 | 1,296円 | 2,891円 |
30ヶ月 | 0円 | 1,620円 | 3,628円 |
36ヶ月 | 270円 | 1,620円 | 3,628円 |
※累計金額です。30ヶ月目の値は1~30ヶ月の間にかかった手数料合計
6ヶ月毎の累計配当金比較
単元 | ミニ株 | るいとう | |
---|---|---|---|
6ヶ月 | 0円 | 240円 | 474円 |
12ヶ月 | 0円 | 960円 | 1,426円 |
18ヶ月 | 0円 | 2,160円 | 2,860円 |
24ヶ月 | 0円 | 4,080円 | 4,779円 |
30ヶ月 | 0円 | 6,480円 | 7,188円 |
36ヶ月 | 2,400円 | 8,880円 | 9,597円 |
あくまで指定したパターンでのシミュレーションですが、結果は一番上の表の通り。手数料の一番安いはずの単元株パターンの評価額が一番低くなりました。今回のシミュレーションで最も成績が良かったのは「ミニ株」、ほとんど差が無く「るいとう」という結果になりました。
手数料はやっぱり「るいとう」が非常に高いですね。単元株を1回で買った場合の10倍以上かかります。また、3年間で受け取れる配当金も「るいとう」が一番多いです。こちらは単元株を買った場合の4倍にもなります。
まとめ
・定期的に購入できるので、申込みをすれば購入の手間なし
・手数料は高めながらも、配当金再投資できることがメリット
投資信託の積立サービスを提供している証券会社やつみたてNISAなどがそろい、手数料無料&分散投資が簡単にできるようになった現在、手数料が必要な「るいとう」の立場はやや微妙な面もあります。
ただ、個別株には個別株の面白味がありますよね。応援したい、成長の期待ができる企業を直接応援できるのは、投資の楽しみの1つだと思います。
もし、制度改定ができるのであれば、単元に達したあとも特定口座(一般口座)には移管しない選択肢が欲しいですね。「るいとう」で買付けてきた全てで配当金再投資ができたら制度の魅力が一層増すのでしょう。
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