バランスファンドの定義が分からない
バランスファンドの定義について検索すると複数資産を組み合わせたものというのを目にします。
この「複数資産」という言葉が厄介で、バランスファンドがどういうものか意味がわかりません。
というのも、複数資産っぽいのにバランスという名前がついているものとついていないものがあるのでよく分からないのです。気にしたら負けなのかもしれませんが、少し調べてみました。
運用商品で、原則として単一のアセットクラス(「資産クラス」とも呼ぶ。「国内株式」「外国債券」などの運用資産の大まかな分類のこと)だけで運用されるのではなく、内外の株式、債券、あるいは現金(短期資産)など複数のアセットクラスに投資するものを一般に「バランスファンド」と呼ぶ。
ただこれだと腑に落ちない部分があります。
例えば「eMAXIS債券バランス(2資産バランス)」は国内債券50%、先進国債券(ヘッジ付き)50%でバランスファンドと名乗っています。
一方で「eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)」は国内株式33.3%、先進国株式33.3%、新興国株式33.3%でバランスファンドという名前がついていません。
もう少し攻めるなら、「楽天・全世界株式・インデックス・ファンド」は大まかに国内株式10%、先進国株式80%、新興国株式10%もバランスファンドという名前がついていません。
聞いてみた
一般的に書かれていることだけだとよく分からないので「三菱UFJ国際投信株式会社 お客さまサポート部」に問い合せてみました。
基本的に、ファンド名に「バランス」と付く場合は、複数の異なる資産を組み合わせたファンドが対象となり、投資対象地域が異なっていても同一資産だけで構成されているファンドは「バランス」とは呼びません。
(省略)
投資家が投資対象を簡潔に理解していただくために、一般社団法人投資信託協会で統一的な分類方法を制定しています。
複数の資産を投資対象とする場合は、交付目論見書の表紙の商品分類の投資対象資産に「資産複合」と記載がございますのでご参照ください。
投資対象地域が異なっていても同一資産だけで構成されているファンドは「バランス」とは呼ばない。
つまりeMAXIS債券バランス(2資産バランス)もeMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)は両方ともバランスファンドではないということだ。バランスという名前が入っているものもあるのに、分かりづらい・・
交付目論見書を確認してみた
「三菱UFJ国際投信株式会社 お客さまサポート部」の回答を頼りにいくつかの投資信託で交付目論見書を確認してみました。
eMAXIS債券バランス(2資産バランス)
!!!投資対象資産が「債券」になっている。国内外の債券で2資産、複合型に見えるけど、回答通り2地域1資産ということのようですね。
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)
投資対象資産は「株式」。名前のように3地域1資産ということでしょう。
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)
やっと出ました投資対象資産が「資産複合」。債券3地域、株式3地域、リート2地域の3資産ということみたいですね。
eMAXIS マイマネージャー
eMAXISマイマネージャーには1970s、1980s、1990sの3種類はあり、それぞれの年代(1990sは20代くらい)の目標リスクにあうよう資産クラスの比率を見直してくれる投資信託。
投資対象はeMAXIS Slimバランスと同様に債券3地域、株式3地域、リート2地域で比率が異なるものです。
これも投資対象資産が「資産複合」でバランスファンドになるようですね。
一般社団法人投資信託協会の商品分類
一般社団法人投資信託協会のWebを確認したところ「商品分類」について説明がありました。
この説明によると複合資産は、主たる投資収益が「株式」、「債券」、「不動産投信」、「その他資産」の複数の資産を源泉とするもの。国内とか先進国は投資対象地域の分類で別カテゴリとなっています。
まとめ
・投資信託の名前だけでバランスファンドかは分類できない
・地域の違いは資産の違いには含めない
・交付目論見書の投資対象資産に「資産複合」と記載があるものがバランスファンド
一般社団法人投資信託協会による定義があるにも関わらず、それとは違った認識となるような説明が複数あるということは、「答えが1つではない」のかもしれませんね。とすると今これ以上探っても無駄ということでしょう。困ったものだ。。。