浪費家ナッツ(@rouhi_nats)です。おはようございます。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドといえば、新規設定以降「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」で3連覇の偉業を達成した超人気投資信託です。
ただ、この投資信託は以前より低信託報酬ではあるものの、隠れコストを含めた実質コストが高いと言われています。
実際のところはどうなのでしょうか?
2018年1月1日に<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの運用報告書が更新されましたので確認していきます。
実質コストって?
投資信託には購入時点に分かっているコストとして、「購入時手数料(販売手数料)」、「信託報酬(運用管理費用)」、「換金時手数料(信託財産留保額など)」があります。
・・・(1)
ただ、この他に購入時点では分かっていないコストがあります。これらが隠れコストで、「監査費用」、「その他費用・手数料(売買委託手数料、信託事務の諸費用、借入金の利息)」などが該当します。
・・・(2)
交付目論見書を見ると、監査費用やその他費用・手数料がかかることは記載されてますが、運用状況により変動することを理由に、購入時点で具体的な数値は分かりません。
毎期決算後に公表される「交付運用報告書」で明らかにされます。
実質コストは、これら(1)と(2)を合算したものになります。
実質コスト比較
実質コストは、決算後に公表される「交付運用報告書」にある「1万口あたりの費用明細」を見ると簡単に分かります。
期毎の比較
ニッセイ外国株式インデックスファンドの交付運用報告書から、期毎の費用明細を洗い出しました。ニッセイ外国株式インデックスファンドの場合、11月21日~翌年11月20日までで1期です。
第4期は2016年11月21日~2017年11月20日までの費用明細になります。
第4期 | 第3期 | 第2期 | |
信託報酬 | 0.215% | 0.260% | 0.421% |
売買委託手数料 | 0.007% | 0.013% | 0.010% |
有価証券取引税 | 0.020% | 0.027% | 0.020% |
その他費用 | 0.073% | 0.080% | 0.106% |
合計 | 0.315% | 0.379% | 0.557% |
期中平均基準価格 | 13,631円 | 11,381円 | 12,844円 |
ニッセイ外国株式インデックスファンドが他のMSCIコクサイ連動の投資信託に比べ高いと言われているのは、その他費用です。
第4期の運用報告書ではその他費用の内訳が細かく開示され、保管費用が大きく影響していることが分かりました。その他費用の中に占める保管費用の割合は約88%にもなっています。
他の投資信託と比較
1社の投資信託だけでは費用の多寡は分かりづらいので、他のMSCIコクサイに連動する投資信託と比較してみます。
今回は、実質コストで優等生と言われている「たわらノーロード先進国株式」、業界の巨人野村アセットマネジメントの「Funds-I 外国株式」の費用明細を確認してみました。
ニッセイ外国 | たわら先進国 | Funds-i外国株式 | |
信託報酬 | 0.215% | 0.243% | 0.594% |
売買委託手数料 | 0.007% | 0.004% | 0.003% |
有価証券取引税 | 0.020% | 0.004% | 0.008% |
その他費用 | 0.073% | 0.031% | 0.010% |
合計 | 0.315% | 0.281% | 0.615% |
期中平均基準価格 | 13,631円 | 10,805円 | 22,580円 |
※たわらノーロード先進国株式は、第2期2016年10月13日~2017年10月12日
※Funds-i外国株式は、第7期2016年9月7日~2017年9月6日
確かに、ニッセイ外国株式インデックスファンドは、他の投資信託に比べて隠れコスト部分が2倍以上と非常高いですね。
ベンチマークとの差異
運用報告書では、ベンチマークとの比較を行っています。これを見ていて気になったのは、ニッセイ外国株式インデックスファンドはベンチマークとの連動が非常に高いこと。コスト分乖離するものと思っていましたが、細かすぎて表現しきれていない?
第4期ニッセイ外国株式
期中を通してベンチマークの騰落率23.3%に対して、ニッセイ外国株式の騰落率も23.3%と差異なくベンチマークに連動しています。
第3期ニッセイ外国株式
たまたま、実質コスト分上方乖離しただけ?それともこういう物なのか、確認したいので第3期の比較も見てみます。
第3期の期間では、年間でベンチマーク-7.8%に対して、ニッセイ外国株式インデックスファンドは-8.0%と0.2ポイント分ずれが生じています。これは一時騒ぎになった事件が影響しているものと思います。それを除けば各月末時点(機首比)の騰落率もほぼ連動していています。やっぱりコスト分の差が見えない。何故・・?
https://www.nam.co.jp/news/fpdf/161115_info2.pdf
第2期たわら先進国株式
ニッセイ外国株式の運用報告書では、ベンチマークにほぼ連動している結果になっていました。でもやっぱり1社の報告書を見ただけではよく分からないので、たわらノーロード先進国株式のベンチマークとのズレも確認。
こちらは年間のベンチマーク騰落率33.1%に対し、たわら先進国株式の騰落率は32.5%と-0.6ポイントもズレが生じています。各月末時点(機首比)の騰落率もニッセイ外国株式ほど高い連動はしていません。
こちらは、実質コスト以上に乖離しているように見えます。純資産規模が小さいから?それにしても結構ずれている。こんなものなんでしょうかね~?。
念のためベンチマーク同士の比較
決算日が違うので比較できるポイントだけで見たいと思います。2016年11月末と2017年9月末の比較です。比較すると見ているベンチマークが異なるようです。これじゃ、単純比較できない。
ニッセイ外国株式
2016年11月末 12,325 / 2017年9月末 14,634
両期間での騰落率 +18.7343%
たわらノーロード
2016年11月末 891,132.34 / 2017年9月末 1063,690.07
両期間での騰落率 +19.3639%
トータルリターン(1年)
見ているベンチマークが違うんじゃ単純比較できないということで、両社のトータルリターンも見てみました。
ニッセイ外国株式 18.61%
たわら先進国株式 18.60%
Funds-i外国株式 18.15%
Fund-i外国株式は、他の2銘柄と比べると信託報酬率が高いので、その分トータルリターンも低くなるのは理解できます。でも、隠れコストでたわら先進国株式に劣る「ニッセイ外国株式」の方がトータルリターンが高いという意外な結果になりました。
雑感
ニッセイ外国株式インデックスファンドについて、今回の見た範囲では、
・信託報酬率以外の隠れコストが高い
・運用報告書上ベンチマークとの連動が高い
・トータルリターン(1年)でみるとリターン良い
となりました。
ただし、今回私が得られた情報だけではどちらが良いかは分かりません。ニッセイ外国株式が素晴らしいのかもしれないし、たまたまリターンが高くでているのかもしれません。
1点言えることは、今のところ実質コストが!というほど大きな差は見えていないことです。私も少額ですがニッセイ外国株式インデックスファンドを保有しているので気にしていたのですが、細かいこと気にせず持ち続けてもよいのかもしれません。