浪費家ナッツ(@rouhi_nats)です。おはようございます。
2016年1月から外貨預金や外貨建てMMFで得た為替差益が課税対象になりました。なったということは知っていたのですが、課税されるのは外貨を売却して円に替えた時と思っていました。
ところが国税庁のWebページを確認していたところ、気になる記事を発見してしまいました。
一部抜粋になります。国税庁Webページを確認ください。
預け入れていた外貨建預貯金を払い出して外貨建MMFに投資した場合の為替差損益の取扱い|国税庁
この内容素直に受け止めると、以前預け入れた米ドルを使って、米ドルMMFを購入しただけで、円に両替していないのに為替差益を所得と認識する必要があると読み取れます。
この記事には解説も書いてあるのですがお役所言葉は難しいので、私が利用しているSBI証券に問い合せしてみました。
【注意】
下記あくまでSBI証券より回答をもらった内容です。正しくは国税局の税についての相談窓口(税についての相談窓口|国税庁)に相談してください。
確認内容
住信SBI信託銀行、SBI証券を使って外貨建てMMFを購入~売却までにかかる税金について各ケースについて確認してみました
米ドルを購入したとき
【質問1】
1米ドル=100円のとき住信SBI銀行で、100万円を10,000米ドルに両替した場合
【回答1】
税金はかからない
米ドルを同一金融機関内で移動したとき
【質問2】
1米ドル=110円のとき、【質問1】の米ドルをSBI証券に移動(預かり金)
【回答2】
税金はかからない
外貨MMFを購入したとき
【質問3】
1米ドル=107円のとき、【質問2】の米ドルで米ドルMMFを購入
(残りの預かり金は7,000米ドル)
【回答3】
為替差損益を認識する。
為替差益 = 3,000 × 107 – 3,000 × 100
= 21,000円
外貨MMFを売却したとき
【質問4】
1米ドル=110円のとき、【質問3】の米ドルMMFを全額解約
(【質問3】の預かり金7,000米ドルと合わせて10,000ドル)
【回答4】
譲渡益を認識する
譲渡益 = 3,000 × 110 - 3,000 × 107
= 9,000円
※特定口座の場合、証券会社側で計算・徴収
預かり金のレート
【質問5】
預かり金のレートは?
【回答5】
(7,000×100 + 3,000×110) ÷ 10,000 = 103
つまり、1米ドル = 103円
米ドルを売却
【質問6】
1米ドル120円のとき、【質問5】の預かり金を全て円に両替
【回答6】
為替差損益を認識。
為替差益 = 10,000×120 – 10,000×103
= 170,000円
運用報告書
【質問7】
為替差損益は運用報告書等で報告されるか?
【回答7】
報告されない。為替差損益は投資者が計算し確定申告する
おまけ
【質問8】
米ドルMMFの平均レートはどこかに記載がありますか?
【回答8】
ある
【質問9】
預かり金(米ドル)の平均レートはどこかに記載がありますか?
【回答9】
未回答
雑感
思わぬところで為替差損益を認識しなければならないことに、びっくりしましたが認識違いを確認できて良かったです。
また、まだ確認できていませんが外貨建てMMFを購入した時に為替差損益を認識するのであれば、外国株式を購入する時も為替差損益を認識する必要があるのかもしれません。
とすると、以前「若き米国株投資家の悩み 外貨建てMMFについて」で使いどころが分からないと考えていた外貨建てMMFにも用途が見えてきました。特定口座で外貨建てMMFを購入すれば取得価格が記録に残るので為替差損益の計算がしやすくなりそうです。
今回、外貨建てMMFについて再度確認に着手したのは「 若き米国株投資家の悩み 外貨建てMMFについて」に対して、ご意見をいただいたからでした。ご指摘いただきありがとうございました。勉強になりました。
【注意】2018年4月 リンク切れ対応済み